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Rubyのアマチュアボクシングコラム
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ドライアイスの剣

5/14日、後楽園ホールで周囲を確認し、さていよいよあの熱気の中へ入っていこうと覚悟して中央の階段を降りていった。
ちょうど下から5、6段のところにやってきた時、最前列にいた青年がいきなり後ろを振り返り、驚く間もなく私の目をねめつけてきたのだった。

栗色のよく光る瞳は、
「あんた、だれ?」
ト訪ねているようだった。

選手はカンがいい。後ろの気配が分かるなら現役の選手なんだろう。

が、さて、私にもその青年が分からない。勢い、双方ガンつけあうに近い状態になってしまった。(T_T) しかし、敵意や危険は無さそうだ。

青年は歯切れ悪そうに、

「どうも」
トいうように頷く。こちらもわからぬままに、にっこりと頷きかえした。

自分の生徒でも服や髪型が違うと区別がつかなくなることがよくある。
ところがそれとも違い、おかしなことに私はその人を身近に知っていて懐かしいのだが、過去の記憶にはファントムのように存在感がない。

どこか影のように寂しい気もまたするのだった。もう全て終わったような。

さて、気のせいなら恥をかかないうちに引きあげようと、青年の前を横切り取材席に座る。。本番はリングの上だ。
今年のリーグはどうもまったりムードで、インパクトあるイメージが作りづらいなあと、カメラをだしてフィルムを確認しながらのらない気分でいた所、、

すーっ!左後ろから、こわいほど冷たい刃を突き付けられた気がして、はっとレンズを向けて振りかえった。

それは、かつてここの覇者であり、私が撮ろうとする純度の高さとパワーを持ち、いやすでに手掛けているはずだ、と直感は囁く。その気配の持ち主は無言で圧倒するようにスルスルと近付いてきていた。

レンズを通すと、くっきりと冷気と氷のような殺気が。

そう!懐かしくかつ待ち望んでいたイメージ。


早足で、青年はドライアイスのようにけぶらせた殺気を身にまとい、レンズを見下ろし通り過ぎる。

     
・・・あっ!この、『横からあおった時の体格』は、ただひとり。オーロラのサバイバルゲーム!

その時、呆然と見つめる私を後ろに、呼び止める間もなく遠ざかる背中だけがあった。

        どうしたことだろうこれは?


           
違ってたらお許しを。  もしかして、正山照門選手?‥‥違うかな?

久々にお目にかかるハイクオリティーの殺気。
アマ時代が氷のイメージなら、今回のはもう1グレードこわさがまして、ドライアイスといおうか。
氷と間違えて掴んだら火傷をするような。つい創作意欲が湧いて、テンションが上がっていく。

とはいっても、アルコール度40%のお酒をぐいっと飲まされたようなもので。(^^;

大体デザイナーやアーティストというのは、デリケートでナイーブなのよ。
反動で夜中うなされて、飛び起きる始末。脂汗ぐっしょり。

アドレナリンがでてるのかどうか、う〜〜〜、怖かった。
自律神経がおかしくなりそうであとが辛い。

もし、当たりだったら、懐かしい気がしても不思議はない。手掛けた作品は何十時間も入れ込んで作り上げていくうちに自分の分身になっている。どれ1つとっても愛着が湧くものだ。

引っ掛かったのは、なぜ寂しい気がしたのか。
確かに現役時代の作品は、もう一つ本質に迫れなかったので、後悔していた。

あの頃、誰も彼もが私をマスコミ関係の女性ファンとひどい誤解をしていて、とりわけ正山君には近寄らせないように邪魔ばかりしてきていた。根掘り葉掘り正山君との関係を「どこでどう知り合ったのかどういう付き合いかどこまで打ちとけているか」ときいてくる無礼な大人たちが。

そういう怪しげな女性ファンでもいたのではないか。追っかけてきては携帯をきいたり、お茶に誘ったりとか?貢ぐことが好きというようなタイプ。そういうのと思われたようで、本っとに失礼な上迷惑だったぞ。

プロが、ファンだ好きだなんぞという軽薄な動機で仕事をすると思うのか。私の仕事にプラスが見込めなければ動かない。

すっかり気分を害したので、今頃になってナニかを期待するようによってくるが、もうおそい。マイナスにしかならない人達は無視である。

やむおえず、正しい目で評価出来る方々に意見をきいてヒントにして作ったのだ。後ろ髪が引かれる思いだったがやむおえない。


      再び疑問だが、どうしてわざわざ後ろまで来たのかしら?

プロボクサーが一般民間人の女性に、殺気をね、むき出しで見せるってあたりが、?

・・・私は印象ガ悪かったと解釈しておきますか、、、、(^^;
それとも清水君同様、俺はもっとハードなんだ!と訂正にきたのか、、う〜〜ん

あの殺気は大変に怖い、それと向き合うのはかなりの重労働だ。

なぜかこれで全ての帳尻が合ってしまったような、一抹の不安を持ちながら。
もし、次にあうことがあったら、普通にしてくださいね、普通に、と形ばかりに思うのだった。
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